Lilibet148のブログ

人間関係、持って生まれた気質、適性のある仕事、日々色んな事に悩み、心を整理する為に書いています。

不妊治療のこと①

もう数年前になるが、私は不妊治療を2年半していた。

そして結果、子供は授からなかった。

 

この事を知ると大概の人が”気の毒に”と言う顔をするし、”子供の話はタブー”と思って腫れ物に触るような扱いをする。

 

まぁ分かる。私も自分が経験するまではそうだったから。

それに不妊治療経験者の中には、本当に触れて欲しくない人もいるだろう。

 

私は37歳で結婚した。まぁ晩婚と言って良いだろう。

ただ周囲にも同じ様な年で結婚し、出産していた人が何人もいた。

本当に子供が欲しいかどうかと問われると大いに疑問があったのだが、流れでそうするものだと思っていた。

 

不妊治療を始めたのは母の勧めだった。

35歳を過ぎると妊娠率が著しく下がるので、早くした方が良いと言われたからだ。

今まで子供が出来にくい体と診断された事も無く、なんとかなるだろうと思っていた。

最初は人工授精、そして体外受精へと進んだ。途中仕事を辞め、専業主婦になった。

 

もう数年経つのによく覚えているのは、最初の人工受精に挑む時に

「本当に良いのだろうか」と強く思ったことだった。子供が出来てしまう事に恐怖と後悔を持った。

 

何故ならば、私はとても悩みながら人生を送ってきたからだ。

もし子供が出来たら同じ様に苦しむのだろうか、そしてそれが自分では無く、自分が”命に代えても守りたい”と思う対象が、自分に似てしまったが故に苦しんでいる、そんな姿をずっと見て、そしてその子を残して自分は先に死んでいくのか、そう思ったら、とても恐ろしいことの様な気がした。


それでも、2年半治療を続けた。

続けられたのは公的な補助が手厚かったからだ。

そしてやるだけやってダメだったら、心置きなく諦められる、そう思ったからだった。

 

親は孫の誕生を期待していた。

両家とも他に孫はいなかったからだ。だから親を喜ばせたくもあった。

自分も人生の次のステップとして、子育てと言うものを経験してみたくもあった。

 

でも授からなかった。

最初は特に欲しいとも思っていなかったけれど、健康に気を遣い、良いと勧められたものは試し、そうしているうちに毎回毎回授からない事に落ち込んだ。

努力と成果が比例しない事に消耗されていった。

 

治療開始から2年経つ頃には、早く止めたいなぁ、これが終わったら何しよう、と思い始めていた。

 

周囲も、子供がいない夫婦の方が仲が良いよ、子供がいない幸せもあるよ、と教えてくれた。

またある人は、里親制度を勧めてくれたり、「今いる人類の全ては○万年前に1万人に人口が減った時の子孫である、だから自分のDNDを残す事に必死にならなくても良い」

と言う面白い話をしてくれた。

 

なので、この補助金が無くなったら不妊治療を止めよう、と思っていたタイミングと

医者から「もうそろそろ諦めた方が・・・」と言われたタイミングが全く一緒で

案外スッキリやめる事が出来た。

 

そして”子供を持たなかった”と言う事を逆にプラスに変えられるような生き方がしたい、そう思って就職活動を始めた。

 

世の中を見渡すと意外に子供のいない夫婦は多い。

そして子供がいても離婚している人も沢山いる。

もちろん独身の人もたくさんいる。

 

皆色々だなって思った。

 

これまでに私に”子供がいない”事が弱点だと思ってマウントしてくる人がいた。

思い込みとは恐ろしいものだ。そしてクソみたいな事をする人間が複数いる事にうんざりした。

でも、ふと気が付いた。

そういう事をしてくる人は、自分は不幸だと本人が思っていることに。

 

離婚していてそれをコンプレックスに思っていたり、周囲から嫌われていたり、会社を首なりそうだったり。

人にマウントをし、”自分の方がまだマシ”と思うことでしか、自分を保てないのだ。

それに気が付いた時、その人達の事を心から可哀想な人だな、と思った。

 

そしてそんな人達に心捕らわれる事無く、同じ様な状況の人と、老後の不安について話し合ったり、情報交換したり、自由な身を活かして旅行に行ったりイベントに行ったり、楽しくて前向きな事がしたいな、と思った。

 

続く。